状況別ガイド

親が亡くなったあと、実家で最初にすること

手続き、連絡、片づけ。やることが重なる時期ですが、実家で最初にするのは処分ではありません。家の状態と急ぐ期限を確かめ、失くせない物を先に守ります。

読了目安:約6分

箱を開ける前に、実家の鍵と書類を手元へ置いて家の状態を見回す家族のイラスト
全部を始めなくていい。先に、家と期限と、失くせない物を見ます。

親が亡くなった。

実家のドアを開けると、生活だけが昨日のまま残っています。

冷蔵庫。郵便。薬。書類。押し入れの箱。

どこから触ればいいのか、分からない。

それでも、片づけなければと思う。

けれど、急いで減らすことが最初ではありません。

最初の目的は、家を空にすることではなく、失くすと困る物と期限を見落とさないこと。

順番さえ分ければ、全部を一度に背負わずに済みます。

INDEX

この記事の内容

  1. 01 最初に片づけない理由
  2. 02 実家で見る順番
  3. 03 家へ入った日に見ること
  4. 04 大きく動かす前に止まる条件
  5. 05 処分から先に外す物
  6. 06 その日は三つの場所だけ作る
  7. 07 そのあとの三つの進み方

なぜ、最初に片づけないのか

亡くなったあとの実家には、役所や契約の手がかり、財産や負債を確認する書類、家族にしか分からない物が混ざっています。

見た目だけで「不要」と決めると、あとで探し直すことになる。捨てた物は戻りません。

一方で、生ものや施錠、賃貸住宅の明渡しなど、時間を置かないほうがよいこともあります。

だから、片づける前に二つを分けます。

急ぐ確認は先へ。戻せない処分はあとへ。

実家で見る順番は、三段階

家の安全と急ぐ期限を確認し、書類・貴重品・迷う物を処分から外してから、残す・査定・処分へ分かれる三段階の図
順番は、安全と期限、守る物、片づけ方。法律上の判断が残るときは、その手前で止まります。

家全体を見渡す必要はありません。

先に家の異常と期限。次に、なくすと困る物。そのあとで、残す・売れる可能性を見る・処分するへ分けます。

家へ入った日に見ること

01鍵と家の状態

玄関と窓の施錠。水漏れや火気。冷蔵庫の生もの。家を一周し、時間がたつほど困る異常だけを先に見ます。

片づけは始めず、気になる場所を写真に残すところまで。

02持家か、賃貸か

賃貸なら、契約書と管理会社・大家の連絡先を探します。明渡し日や家財の扱いを、家族だけの推測で決めないためです。

持家なら、誰が鍵を持ち、次にいつ家を見るか。家の将来より先に、当面の管理を決めます。

03日付のある郵便と書類

封筒を片端から捨てず、支払日、提出日、契約名が見える物を一か所へ。

中身を全部理解しなくても構いません。まず、期限の有無だけを分けます。

大きく動かす前に、止まる条件

相続放棄を考えている。借金や保証があるか分からない。相続人の間で話ができていない。

このどれかに当てはまるなら、家財をまとめて処分する前に確認が必要です。

相続放棄の申述には期限があります。

原則として、自分のために相続が始まったと知ったときから3か月以内。調査しても判断材料がそろわない場合は、期間を延ばす申立てができることもあります。

期限と手続きは、裁判所の案内で確かめられます(裁判所「相続の放棄の申述」)。

個別の行為が相続上どう扱われるかは、家の状況で変わります。迷いがあるなら、家庭裁判所の手続案内や弁護士などへ確認してから。

処分から先に外す物

ここでは、細かく仕分けなくて大丈夫です。

手続きの手がかり。通帳、保険、年金、税金、不動産、契約に関する書類。

すぐには替えにくい物。現金、印鑑、カード、鍵、デジタル機器。

判断できない物。写真、手紙、箱にまとまった物、家族へ確認したい物。

「残す」と決める必要はありません。
処分の流れから、いったん外す。それだけです。

処分前に残しておく物を、詳しく確認する →

その日は「捨てない箱・動かさない場所・明らかな生活ごみ」だけ分ける

家全体の仕分け表は、まだ要りません。玄関に紙を置き、次の三つだけ名前を付けます。

捨てない箱。鍵、通帳、印鑑、身分証、保険・税金・不動産の書類、スマートフォンと充電器。箱に日付と預かる人の名前を書きます。

動かさない場所。価値や持ち主が分からない物、家族へ確認したい物、借り物の可能性がある物。部屋の一角を写真に撮り、誰かが確認するまで処分対象へ混ぜません。

明らかな生活ごみ。安全に扱える生ものなど、放置で家の状態が悪くなる物。ただし、相続放棄を検討している、賃貸の明渡し条件が分からないなど、前の「止まる条件」に当てはまるときは先に確認します。

この三つに入らない物は、その日に結論を出さなくて大丈夫です。迷う物を無理に「残す・捨てる」へ分けないことが、次の判断を軽くします。

状況が見えたら、三つに分かれる

守る物を外したあと、残りを一つの山にしないこと。次に知りたいことに合わせて、進むページを選びます。

01

捨ててはいけない物を、もう一度見る

書類や貴重品、家族の確認が要る物を、処分前に拾い上げたいとき。

まず残しておく物を確認する →

02

売れる可能性だけ、先に確かめる

価値が分からない物を、捨てる前に見分けたいとき。売却を急ぐためではありません。

売れる可能性がある物を確認する →

03

残った家財の出し方を決める

量と期限が見え、自治体で出すか、業者へ頼むかを比べたいとき。

残った家財の処分方法を決める →

玄関を開けたら、四つだけ記録する

「鍵と家の異常」「持家か賃貸か」「日付のある書類」「処分せず外した物」。紙かスマホへ、四つの見出しだけ作ります。

家を空にする日は、まだ決めなくていい。

この四つが見えれば、片づけを始めてもよい場所と、まだ触らない場所を分けられます。

処分前に残しておく物を確認する →

このページについて

クラリエ編集部が、親が亡くなった直後の実家で、家財を処分する前に確認したい順番を、公的機関の公開情報をもとに整理しています。相続、契約、家財処分の個別判断を代行するものではありません。

参照した資料:裁判所「相続の放棄の申述」。

最終更新: